お浚い会本番(出番前)


ホールでのお浚い会、無事に終えることが出来ました。
お天気が続く中、この日だけ雨模様。湿気もあり、三味線の具合が気になるところです。


当日は、5時に起床、朝ご飯をたらふく食べ、ご近所迷惑ですが一度だけ浚ってから、稽古場近くにある着物のレンタルルームへ。髪の毛のセットと着付けをしていただきました。


会場入りをし、先生方にご挨拶をして、開演の時間を迎えました。
開演時には、お客様が3名しかおらず、「暇な人は客席に行って〜!」という師匠のおふれが(笑)客席に行くと、お友達が既にスタンバッてくれてました。

客席で聴いたり、楽屋に戻ったり・・・着物が苦しくて、ずっとは聴いていられませんでした。毎回一緒に出ている方がほとんどなので、仲間意識が生まれてきます。見ているこちらがドキドキするかと思いきや、今回は、全くそんなことがなかった!皆確実に成長してるんだなぁ。私が見ている限り、途中で手を忘れてしまう人もいなくて。

ああ私も16時すぎにはこの舞台に・・・とは思うけれど、実感が湧かない・・・緊張しない。

という感覚でした。

ところが。

友人の演目が終わり、自分の番まであと1時間くらいの時に楽屋に戻り、おにぎりを1つ食べてから浚い始めたところ。

指が動かない・・・!
撥がひっかかる・・・!!

えええっっ私、すんっごく緊張してるんじゃないの?!

と自覚してしまいました。
緊張すると、調子が合わせられなくなるんです。

私がどんどん調子を狂わせていくのを見かねてか、姉弟子が調子を合わせてくれました。
弾きはじめようとしたところ、出演者だけれど、御自身もお弟子さんがいらっしゃる方が、小さく唄ってくださいました。

温かい方ばかりです。

丸々通して弾いてから、舞台袖へ移動すると、前の演目には出演していない師匠が椅子に座っていました。

「まだまだだから、座ってて。」と、私から三味線を受け取って、椅子を指さす師匠。
その後、無言で前の演目の皆さんを見つめていました。

私、もうすぐこの山台に乗るんだなあ・・・。

じんわり手に汗をかいて落ち着かない。

「緊張してます・・・。」ぽつりと言ったら、「大丈夫だから。」師匠もぽつりとひとこと。
それ以外は、ずーーっと無言。師匠の横顔を見つめていたら、『ああ、お疲れだなあ』って感じて、私たちのためにこの2週間ほぼ毎日稽古を付けてくださり、励ましてくださった日々が思い起こされました。

師匠の弟子でよかったなぁと思った舞台袖での10分弱。
前の演目が終わり、さあ私の番です。